片山津温泉の魅力

実は、片山津温泉街の開業は明治期に入ってから。

温泉の発見は大聖寺藩第二代藩主・前田利明の時代にさかのぼりますが、
源泉の噴出口が柴山潟の湖底だったために
開発にはたいへんな技術と歳月を要しました。

明治九年、掘削や埋め立てなどの困難を乗り越えて
二軒の宿が開業した時には、人々を無料でもてなし、
村をあげて喜びに浸ったといいます。

そんな歴史を偲んで潟の中ほどには、
温泉伝説の弁天様と竜神様の祀られた「浮御堂」が建立されています。

また浮御堂へと続く湯の元公園からは屋形船が就航。
夏ならば納涼花火大会を湖上から観賞したり、船に乗って湯巡りができるなど、
風流な舟遊びも行っています。

湖岸に林立する旅館群の一画に建っているのは「中谷宇吉郎 雪の科学館」。
片山津は、「雪は天から送られた手紙である」という名言を残した
科学者・中谷宇吉郎のふるさとです。

館内ではスタッフが雪の結晶を作る実験を行っていたり、
興味深い仕掛けがいっぱい。
一面ガラス張りのティールームからは、
潟越しにゆったりと裾野を広げる白山を望むこともでき、
お茶をいただきながらのんびりと過ごしたい空間です。

天に向けてぽっかりと開放されたような片山津温泉。
柴山潟に臨む温泉は、とびきり雄大なロケーションに
恵まれた温泉地でもあるのです。

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